要約:オープンウェイトのR1/V4で知られるDeepSeekが、第2ラウンド交渉を再開したと報じられています。目標調達額は約500億元(約70億ドル)、プレマネーは約5000億元(約700億ドル)で、2か月前の第1ラウンド・ポストマネーから約43%上振れです。クローズすれば5か月弱で累計約140億ドル超の調達になります。本稿は匿名ソース(主に財経系)に限定し、タイムライン・議決権・ピア比較・エンジニア向け6ステップを整理します。背景はAI資金調達スーパーサイクルとDeepSeek自社チップ報道もあわせてご覧ください。
00いま交渉されている内容は何か
主体はDeepSeekです。交渉再開は2026年8月4日前後、署名目標は8月下旬とされます。規模は外部第2ラウンドで約500億元。プレマネー約5000億元は、第1ラウンドのポストマネー約3500億元超に対し約43%高い水準です。成立すれば累計調達は1000億元超(約140億ドル)に達し、「調達なし・上場なし・商業化なし」を掲げていた時期から、中国AI資本市場の中心へと一気に引き寄せられる構図です。
01タイムライン:「調達しない」から約700億ドル評価まで4か月
- 2026年4月:登記資本増強の届出で、創業者・梁文锋氏が個人で追加出資し、直接持分が約1%から約34%へ。支配下の主体を合わせると支配比率は約84.29%。同月に初の外部調達を開始し、V4をプレビューしました。
- 2026年6月:第1ラウンドが約500億元(約74億ドル)でクローズ。ポストマネーは3500億元超(報道により約520〜590億ドル)。中国AI史上最大級の初回調達とされます。梁氏個人が200億元、騰訊(テンセント)100億元、寧徳時代(CATL)50億元、京東・網易・IDG、国家AI産業投資基金などが参加。スーパーサイクル解説も参照してください。
- 2026年7月14〜17日:科創板IPO準備と、プレマネー約710億ドル(約4800億元、第1ラウンド比約+37%)の第2ラウンド交渉が報じられました。ARR約4〜5億ドル(主にAPIトークン)も初めて広く言及されました。
- 2026年7月25〜26日:交渉が一時停止。Bloomberg等によると、梁氏が非公開投資家会合の発言がオンラインに流出したことに不満を示し、一部待機投資家は署名を見合わせるよう求められた、とされます。
- 2026年8月4〜5日:財経引用のディールメーカーによれば交渉再開。目標は引き続き約500億元、プレマネー約5000億元(約700億ドル)、8月下旬署名。双方とも低姿勢での進行を望んでいる、との報道です。
痛点読者・チームがつまずきやすい読み方
- 「交渉中」を「成約」と読む:第2ラウンドは未署名です。規模も評価額も動き得ます。
- プレマネーとポストマネーの混同:第1ラウンドはポストマネー(3500億元超)で語られることが多く、第2ラウンド報道はプレマネー(約5000億元)です。
- 個人投資家が直接入れると思い込む:第1ラウンドは機関中心で、5年ロックアップと議決権制限が目立ちます。
- 本当の支出項目を見落とす:アナリスト試算では、調達10億元あたり約7割が算力(チップ・データセンター・帯域・液冷)に向かう、とされます。
- SaaSのP/S感覚で読む:売上倍率140〜150倍はキャッシュフロー評価ではなく、オプション的な賭けに近いです。
- IPO日程を確定計画とみなす:2026年末申請/2027年上場は報道上の目標であり、公式スケジュールではありません。
02数字の早見表
| 第1ラウンド(成約) | 第2ラウンド(交渉中) | |
|---|---|---|
| 交渉開始 | 2026年4月 | 7月中旬再開→一時停止→8月4〜5日再再開 |
| クローズ/予定 | 2026年6月 | 2026年8月下旬(予定) |
| 調達額 | 約500億元(約74億ドル) | 目標 約500億元(約70億ドル) |
| 評価額の基準 | ポストマネー 3500億元超 | プレマネー 約5000億元(約700億ドル) |
| 評価額の変化 | — | 第1ラウンド比 約+43% |
| 主な参加側 | 国家AI産業投資基金、騰訊(100億元)、CATL(50億元)、京東、網易、IDGなど | 第1ラウンドで枠外だった投資家+既存株主の増額、と報じられる |
| 第2ラウンド成約時の累計 | — | 5か月弱で1000億元超(約140億ドル) |
| 指標 | 数値 | 注記 |
|---|---|---|
| 年率経常収益(ARR) | 約4〜5億ドル | 主にAPIトークン;公式開示ではなく報道ベース |
| 粗利率 | 報道上50%超 | 独立監査なし |
| 含意P/S | 約140〜150倍 | ディールメーカー試算でOpenAI約65倍・Anthropic約21倍対比 |
| 月間アクティブユーザー | 1億人超(外部推計) | 計測方法は非公開 |
03ディールの中身:算力コスト、議決権、約148倍のP/S
見出しより先に来るのは算力の請求書
第1ラウンド直後、DeepSeekはデータセンターとAIエージェント部門の人員を倍増すると表明しました。Reutersは自社推論チップの採用を報じています。業界試算では調達10億元のうち約7億元が算力に回る、とされます。調達ペースはトロフィー評価額ではなく、建設競争への追随です。自社推論チップ報道と整合します。
大半の投資家に議決権はない
第1ラウンドでは、外部資金の多くが梁文锋氏側が支配するリミテッド・パートナーシップ経由で入り、議決権なしかつ5年ロックアップだったと報じられます。例外は国家AI産業投資基金で、直接出資・議決権あり・ロックアップなし、とされます。梁氏側の支配は約84%近傍を維持しつつ、Forbes等からガバナンス上の疑問も出ています。
148倍前後のP/Sはオプション賭けか、警告信号か
あるディールメーカーの言い回し(中国語報道の意訳)は、「基盤モデル企業の値付けは本質的にオプションへの賭けであり、キャッシュフロー評価ではない」というものです。投資家は、DeepSeekが中国の算力エコシステムと企業向けエージェント市場でインフラ級の存在になる可能性を織り込んでいます。グローバル文脈はAnthropicのSeries H/IPO経路も参照してください。
04Moonshot・智譜・MiniMaxとの位置関係
| 企業 | 上場状況 | 直近評価額/時価総額 | 報道ARR | 最近の調達ペース |
|---|---|---|---|---|
| DeepSeek | 未上場、科創板IPO準備と報道 | プレマネー約5000億元(約700億ドル、交渉中) | 約4〜5億ドル | 4か月で2ラウンド、累計140億ドル超を目標 |
| Moonshot AI(Kimi) | 未上場 | 約200億ドル(2026年5月);その後300億ドルを模索との報道 | 約2億ドル | 6か月で4ラウンド、累計約39億ドル |
| 智譜 AI(Z.ai) | 香港上場 | 時価総額 約3470億元(2026年5月頃) | 非開示 | IPO前に約83億元調達 |
| MiniMax | 香港上場 | 時価総額 約2100億元(2026年5月頃) | 非開示 | IPO前に約110億元調達 |
未上場のDeepSeekとMoonshotは、いずれもP/Sがおおむね140〜150倍前後とされ、すでに上場している智譜・MiniMaxよりプレミアムが高い構図です。公開市場の精査が入る前に、プライベート市場が割高な期待を払っている、と読めます。
05争点:会合漏洩、議決権、バブル警戒
- 非公開会合の漏洩が交渉を止めた:7月の一時停止は、第1ラウンド投資家会合の発言がネットに広がったことへの梁氏の不満がきっかけ、と報じられます。
- 議決権構造への視線:外部の多くは無議決権+5年ロックアップ。国家AI産業投資基金だけが直接議決権・ロックアップなし、という構図にForbesやCIWが疑問を呈し、DeepSeek側の公式説明はまだ出ていません。
- 評価額と売上のギャップ:P/S 140〜150倍は高成長SaaS(しばしば30〜50倍)と比較しても極端です。科創板上場後に技術優位が企業売上へ転換できるか——ここは未検証です。
念のため:調達規模・評価額・持分の細部は、財経・Reuters・Bloomberg・Forbesなど匿名ソースを含む報道に依拠しています。正式発表までは「報じられているが未確認」として扱ってください。
06なぜ重要か:科創板ルール、算力自立、世界的な再値付け
- 未黒字AI企業向けの上場基準緩和:2026年6月17日、上海証券取引所は科創板の「第5セット基準」をAIにも拡大し、技術力が十分なら黒字や大規模売上を必須としない枠組みにしました。2026年末申請・2027年上場という報道の背景です。
- 5年続いた「調達なし/上場なし/商業化なし」の終焉:DeepSeekは第1ラウンド(2026年6月)まで、梁氏のクオンツ基金High-Flyer(幻方)に支えられていました。智譜・MiniMaxはすでに香港上場、Moonshotは高速調達を続けています。
- フロンティアラボの世界的再値付け:OpenAIは2025年に約3000億ドル評価と報じられ、Anthropicは2026年6月時点でOpenAIを上回る評価とされます。国際競争力のある中国ラボへのプレミアムも、この競争の一部です。
- 算力自立がサブテキスト:自社推論チップと自前データセンターの報道は、ARRがまだ控えめでも急速な資金需要が生まれる理由を説明します。製品面はV4 Flash正式版ベンチマークを参照してください。
07エンジニア/運用向け 6ステップ Runbook
調達の見出しは、今日のトークン請求書をすぐには変えません。ただしベンダーリスクの前提と算力キャパシティ計画は変わります。次の順で進めてください。
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01
第2ラウンドを「未確認」とラベル付けする — 社内メモには「匿名ディールメーカー/署名前」と明記し、契約書や対外デッキに数字を焼き込まないでください。
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02
サプライヤ集中を再点検する — 本番トラフィックがDeepSeek APIに偏るなら、マルチモデルゲートウェイとキャッシュによるフェイルオーバー経路を文書化します。
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03
算力競争を予算に織り込む — 「調達の約7割が算力へ」という分析は株の話ではなくキャパシティ信号です。評価・推論の余力を先に確保してください。
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04
ピアをARR/P/S/上場状況で横並びにする — DeepSeek・Moonshot・智譜・MiniMaxを並べ、「700億ドル」の一行見出しだけがメモを支配しないようにします。
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05
エージェントホストをモデル選択から切り離す — モデルは差し替え可能です。長時間エージェント、CI、評価フリートには、先に安定した専有プレーンが必要です。
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08まとめと FAQ
報道どおり第2ラウンドが成立すれば、DeepSeekは5か月弱で140億ドル超を調達し、プレマネー約700億ドルに達します。主因は算力建設と科創板への道筋であり、評価額のトロフィーだけではありません。議決権、非公開会合の漏洩、P/S 140〜150倍——この三点が現時点の争点です。DeepSeekが条件を確認するまでは、すべての数字を「噂・交渉中」と扱ってください。
資金調達の物語が動いても、エージェント・評価・CIのワークロードには、監査可能でジッターの少ない算力プレーンが必要です。共有分単位プール、オーバーサブのVPS、机下のMacでは、トークン節約が帯域ジッター・隣接ノイズ・長時間セッション切断で相殺されがちです。より安定した本番面として、NUKCLOUD多リージョン裸金属Mac/クラウドMacノードは独占Apple Siliconと明確なテナント境界を提供します。料金ページで仕様を比較し、注文ページから試験利用できます。
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DeepSeekの第2ラウンドはすでにクローズしましたか?いいえ。本稿執筆時点では交渉中で、8月下旬の署名を目指していると報じられています。最終的な金額や条件は報道と異なる可能性があります。
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第1ラウンドからわずか2か月で再び調達する理由は何ですか?データセンター拡張、自社推論チップ、エージェント/インフラ要員の増強など、第1ラウンドで賄いきれない設備投資を急いでいる、というのが複数報道の説明です。
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約700億ドル(約5000億元)の評価額は確定ですか?確定していません。主に財経誌などが匿名のディールメーカーを引用した数字で、DeepSeek公式の発表ではありません。署名前に変動し得ます。
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評価額が上がると外部投資家の経営権も強まりますか?必ずしもそうではありません。第1ラウンドでは外部資本の多くに議決権がなく、5年ロックアップが付いていました。例外として国家AI産業投資基金だけが直接議決権を持つと報じられており、ガバナンス上の論点は未解決です。
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上場はいつ頃で、海外個人投資家は参加できますか?報道では2026年末までに科創板への申請提出、2027年上場を目標とする動きがあるとされます。今回のプライベートラウンドは機関投資家向けで、海外個人が直接参加する構図ではありません。
データ截至:2026-08-06。出典:財経(新浪財経/华尔街見聞経由)、The Standard(HK)、Gate News、ChainCatcher、Forbes、SCMP、Caixin Global、Reuters、Bloomberg、CIW(キャップテーブル構造)、DeepSeek APIドキュメント/TechCrunch/Hugging Face(V4関連)、36Kr/钛媒体(ピア比較)。数値の多くは匿名ソースの報道です。転載前に必ず一次確認してください。